ムースコール

2009年12月4日金曜日

上院のヘルスケア法案で、保険料は上がる?下がる?

米国連邦議会予算事務局(CBO)は11月30日(月)、上院が提案している健康保険料に関する法案の分析結果を発表した。民主党と共和党は共に、ヘルスケア法案における各々の立場を強化するのに、この報告書の結論を利用しようとしている。民主党は、個人または家族向けプランを雇用者を通さず独自に購入している非グループ保険市場加入者は政府からの補助金の影響を考慮すれば、平均で今よりも低額の保険料を支払えばよくなるとの点を強調している。一方共和党は、政府からの補助金の影響を除けば、非グループ保険市場での保険料が上がる点を強調する。

両者ともその立場は間違ってはいないが、非グループ保険市場は、ヘルスケア改革の下では拡大するものの、保険市場全体においては、依然として比較的小さなシェアに過ぎないことも強調されるべきだろう。非高齢者の大多数は、雇用主を通じて保険を取得する。70%が大規模グループ保険市場、13%が小規模グループ保険市場*で、そして17%のみが非グループ保険市場で保険に加入し、非グループ保険市場の保険プランは新規の保険エクスチェンジを通じて購入される。CBOの分析によれば、上院法案の実現により、大規模および小規模グループ保険市場双方における保険料の平均は基本的に変化しないか、むしろ下がるかもしれないという。
(*CBOの定義では小規模グループ保険市場は50名以下の従業員の企業)


しかし上院案においては、非グループ保険市場での平均の年間保険料は個人で5,500ドルから5,800ドルに、家族では1万3,100ドルから1万5,200ドルに上昇する。ただ、57%の加入者にとっては、連邦政府が保険料に補助金を支出することにより実質コストが大幅に下がる可能性がある。さらに、上院案において非グループ保険市場の保険料が上昇する最大の原因は、新プランにおける保険カバレッジに関する条項が、非グループ保険市場内の現在のプランよりも平均してずっと良くなるからだ。あまりよくないカバレッジしか提供しないことの多い現在の非グループ保険市場のプランとは対照的に、ヘルスケア改革の下では、非グループ保険市場におけるプランの保険カバレッジは、基本的に現在のグループ保険市場におけるそれと同じになるだろう。改革法案の他の影響、すなわち事務運営費用が若干低額になることや、加入者群の健康状態が多少良好になるといったことで、より統合的なカバレッジを提供することにより上昇する保険料はわずかだが相殺される。

つまり、CBOの分析によれば、上院の改革法案では、多くの受給者にとっての平均保険料は基本的に変わらないまま留まる。非グループ保険市場では、より良い保険カバレッジが得られることを理由に保険料は上昇するが、非グループ保険市場の受給者の57%は連邦政府からのかなりの額の補助金を受領するので、彼らの負担分は平均保険料よりもずっと低額になるだろう。

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