ムースコール

2009年6月16日火曜日

オバマ大統領 「医師会の皆様、あなた方の助けが必要です」

オバマ大統領は昨日行われた米国医師会(AMA)の年次会における演説で、自身のヘルスケア改革案について、財源についての基本的アイディアも含めてその概要を語った。その殆どは比較的議論を起こすような性格ではなく、驚きに値するものではなかった。しかしこの演説は、オバマ政権発足以来、ヘルスケアに関する最も包括的な演説となった。ひとつ驚かされたのは、大統領がメディケア費用諮問委員会(Medicare Payment Advisory、MedPAC)の役割を――そしてその権威を拡大する提案を、暗に支援する声を上げたことであった。先月ロックフェラー上院議員は、MedPACをメディケア支払いレート設定の権威を備えた行政機関に変換させる法案を提出した。基本的にこの法案は、連邦健康理事会(Federal Health Board)設立のための、いわば裏口の方法のように思われる(ロックフェラー上院議員は、連邦準備制度理事会をモデルにするとまで語っている)。これは、支払い決定を議会の手から取り上げ、建前として政治的圧力から影響を受けない理事会の手に委ねるというものである。 議会がよろこんで権威を放棄する傾向はないため、私にはこの提案に行き着くところがあるとは思えない。

偶然にも昨日、MedPacは議会に年次報告を提出した。ここでは、患者に対する責任の視点に立ったケアを行う組織(Accountable Care Organizations)、メディケアにおける疾病管理デモンストレーション・プログラム(MSA発行の「米国製薬業界週報」今週号で取り上げられたトピックである)、メディケア・アドバンテージなどを含む、支払い改革に関連したいくつかの重要なトピックの有益な考察がされている。中にはMedPACがバイオ後続品(Follow-On-Biologics、FOB)について考慮している問題のいくつかを扱っている章もある。

さらに昨日、米連邦議会予算事務局(CBO)はケネディ上院議員が先週提出した法案の分析を発表した。同法案の連邦予算に対するコストが10年にわたって1兆ドルを超えるというCBO算出の試算は、大きな驚きとはならなかった。しかしながら、1兆ドルの支出を経た後も、非高齢者の13%にあたる3,700万人が、保険非加入者であり続けるとのCBOの見積もりに注目が集まった。先週提出されたこのバージョンの法案には、雇用主が雇用者に保険を提供しない場合に支払う罰金規定、メディケイド・プログラムの拡大、公的保険の追加など、鍵となる条項が含まれていないことがその理由の1つだ。これらは後になっての追加が見込まれている。こういった条項は、非保険加入者を減らすことになるが、もしメディケイド拡大コストが雇用主への罰金規定に関係したコスト削減分を超えた場合、法案のコスト上昇につながる可能性もある。

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